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「業務プロセスを理解し、最適な活用方法を構築する」──大企業に生成AIの価値を“実装”するLLMチームの存在

生成AI(LLM)を業務に活用する──言葉にすると簡単に聞こえますが、その裏側では企業ごとの業務プロセスにあわせて、AIワークフローを構築することが求められます。AI・LLM事業部において、お客様の事業ドメインにディープダイブし、業務プロセスを深く理解した上でAIワークフローの構築に取り組んでいるのが、LLMチームです。

“導入コンサルタント”の役割を担うコンサルティングチームとバディを組み、お客様の業務課題にあわせて最適な生成AI(LLM)活用のあり方を提案し、形にするLLMチーム。その面白さ、やりがいはどこにあるのか。LLMチームの恩田壮恭と藤田幸成に話を聞きました。

ホリゾンタルなプロダクトだからこその開発の「難しさ」と「面白さ」

──恩田さんは2020年3月にLayerXに入社しています。AI・LLM事業部との前身にあたる独自のプライバシー保護技術を活用した“プライバシーテック事業”に携わっていましたが、どういった経緯でAI・LLM事業部に入ったのでしょうか。

恩田:プライバシーテック事業は2022年に立ち上がり、1年弱が経ったタイミングで今後の方向性を考えるようになったんです。そのタイミングで、ちょうどChatGPTを筆頭とした生成AIが盛り上がりを見せており、事業部としては生成AIにベットする方向性に舵を切っていくことになりました。

もともと、松本さん(LayerX代表取締役CTO)を中心にLayerX LLM Labsが立ち上がっており、そこに研究開発に強みを持ったプライバシーテック事業のメンバーが合流するかたちで、2023年11月にAI・LLM事業部が立ち上がりました。

個人的にはエンジニアとして、生成AIに関われるチャンスが巡ってきたのはすごく良かったと思っていて。なぜなら、新卒のときの意思決定をすごく後悔していたからです。大学時代、仲の良い同期が優秀な機械学習エンジニアだったのですが、当時自分は「この人には勝てない」と思って、機械学習とは別の道を歩む意思決定をしました。

LLMチーム マネージャーの恩田壮恭

時間が経つにつれ、エンジニアとして今後大きくなるであろう“機械学習”という技術にベットしなかったのは失敗だった、という後悔の気持ちがずっとあって。そういう意味では、今回生成AIという大きな波に乗れるチャンスが来た。このチャンスは絶対に逃したくないですし、本気でベットしたい思いもあってAI・LLM事業部に入っています。

藤田:自分は2024年9月にAI・LLM事業部に入ったので、ちょうど半年が経った感じです。大学ではニューロサイエンスの研究をしていたのですが、研究を進める中で社会への実装までの道のりはすごく遠いことを感じて……。であれば、自分は新しい技術を活用して、面白いものをどんどん作っていきたいと思うようになり、ちょうどそのタイミングで生成AIが盛り上がっていたので、生成AIに興味を持ちました。

そうした中、生成AIという新しい技術を活用していて、プロダクトや事業がつくれる、ビジネスサイドにも関われそうという観点でLayerXが面白そうな環境だと思い、2024年4月にインターンを始めて、2024年の9月から正式にジョインしています。

──AI・LLM事業部の開発組織ならではの特徴があれば教えてください。

恩田:これはLayerXならではの特徴かもしれませんが、開発速度が非常に速いです。すごく強いエンジニアチームなのではないか、と胸を張って言えます。

法人支出管理や人的資源管理などの業務効率化を目的としたバクラクとの違いを挙げるならば、バクラクは特定のドメインをひたすら深掘りして、最高の体験をつくることに全力を尽くしています。

一方、Ai Workforceはさまざまな業種・業界で活用できるホリゾンタルなプロダクトであるが故に、特定領域におけるひとつのユースケースを決めて深掘りすることがなかなかできません。異なる業界・業種のお客様からそれぞれから出てくる要望を受け止め、それをどう汎用的な価値に落とし込んでいくか。そこがAi Workforceならではの開発の難しさでもありますし、そういう難しさにチャレンジしている開発組織だと思います。

藤田:AI・LLM事業部が相対するお客様は大企業なので、要件の複雑性は高いんです。それをどこで吸収すべきかは課題でもありますね。いただいた要件をプロダクトの汎用機能として吸収し、シンプルにできるのが1番良いのですが、カスタマイズ機能として吸収すると、最終的に保守・運用が課題になる。そこが難しい部分ですね。

──AI・LLM事業部の開発組織は現状どのような体制になっているのでしょうか?

恩田:AI・LLM事業部の開発組織は「プロダクト開発チーム」と「LLMチーム」の2つで構成されています。プロダクト開発チームはAi Workforce自体の開発に取り組んでいます。

“ワークフロービルダー”な一方、私たちが所属するLLMチームは“導入コンサルティング”をするPjMチームとバディを組み、お客様の業務プロセスを深く理解し、「この業務は生成AIを活用して改善できるのではないか。こっちの業務は逆に生成AIを使わずにルールベースのロジックで進めた方がいいのではないか」といったようなことを考える。生成AIをもとに業務を再設計し、“ワークフロービルダー”の開発に還元することでAi Workforceの導入の高速化、高品質化を行っているチームです。

プロダクト開発チームは汎用的な機能を開発し、LLMチームはお客様ごとの業務プロセスに合わせて生成AIの活用をチューニングするといった役割分担になっています。

まだ正解がない領域だからこそ、自分で正解をつくっていける

──いま、LLMチームに入る面白さはどこにあるのでしょうか。

藤田:生成AIにここまで時間をかけて向き合える環境はすごく貴重だと思っています。とあるプロダクトに生成AIを活用した機能を開発してみよう、という会社はあるかもしれませんが、多種多様な業種・業界のお客様と相対しながら生成AIの活用について手を動かしながら考えられる環境は他にないんじゃないかな、と。個人的には、すごく良い経験をさせてもらえているなと思っています。

LLMチームの藤田幸成

恩田:生成AIが登場してから日が浅く、まだソフトウェア開発におけるベストプラクティスが揃っていないんですよね。多くの人が“考えている時期”だからこそ、実際に自分の手を動かしてチャレンジすることが大事ですし、LLMチームはたくさんチャレンジできる環境があります。例えば、生成AIを活用することで自分自身の仕事の仕方も大きく変わっていますし、開発速度も上がりました。

これから先、確実に大きくなるであろう生成AIという技術にエンジニアとしてベットするにはすごく良いタイミングですし、生成AIを活用したソフトウェア開発におけるアーキテクチャを考えて、提案するチャンスはまだまだたくさんあります。

藤田:周りの状況もキャッチアップしながらになりますが、思いついたアルゴリズムのアイデアや新しく出てくる手法を、公開されているベンチマークなどではなく実際のビジネスユースケースで試行錯誤できるのが良いなと思います。

恩田:もちろん、今は個人で生成AIに課金して試すこともできるでしょうが、実際の案件でお客様と向き合うというのは緊張感が全然違う。きちんと成果を出さないといけない状態の中で生成AIに触ると、目的がない状態で触るよりかは身につくものが多いのではないかと思います。

──現状のLLMチームの課題があれば教えてください。

恩田:大変ありがたいことに、すごく引き合いをいただいており、私たちに対する期待にすべて応えられるようにするためにも、まずは採用を頑張ってチームの人数を増やし、今よりも多くの案件を受けられるようにしたいです。

採用以外の側面では、AIが働きやすい環境にするための「AIオンボーディング」にも取り組み、1案件が実運用に乗るまでの時間を減らしたいと思っています。例えば、リードタイムが3ヶ月かかっていたところを1ヶ月にすることができれば、1人が1クオーターで3案件に携われるようになる。そういった部分での効率化にも取り組んでいきたいです。

──どういうバックグラウンドの人がLLMチームに合うと思いますか?

藤田:ウェブアプリケーションの開発経験が絶対に必要というわけではなく、機械学習に少しでも触れたことがある人、研究していたことがある人であれば合うと思います。「どう応用すれば価値を出せるか」「これは生成AIで実現できるんじゃないか」を考えたり、興味あったりする人には良い環境です。

恩田:お客様の業務ドメインにディープダイブできる人、生成AIなどの新しい技術を貪欲にキャッチアップできる人がLLMチームには合うと思います。

前者については、既存の職業で言えばデータアナリストが近いです。データアナリストは「データは新しい石油」と言われている時代に、蓄積されたデータを活用して、お客様の業務ドメインを深く理解し、どうアップサイドを作っていくかを真剣に考えている人です。生成AIは登場して間もないので、経験豊富な10年選手のような人はいません。データという新しい価値をしっかりデリバリーしたという経験は、すごく活きると思います。

後者の新しい技術の貪欲なキャッチアップについては、これは一例ですが自腹でo1 proに課金して触っている人はすごくポジティブですね。個人で月額3万円の課金はすごく高いのですが、それを払ってでも新しい技術に触れたいという人にはすごく合うと思います。

藤田:あとはステークホルダーを動かせる人が良いですね。お客様も理想の状態を全て言語化できるわけでもないですし、私たちも生成AIのことをすべて理解しているわけではありません。ましてや今使っている技術が数週間後には古いものになっているような状況です。自分から動いて、必要なファクトを集めながらお客様と一緒に価値を作りにいけるといいなと思います。

お客様自身が、AIが働きやすい環境づくりをできる世界を目指す

──今後お二人がLLMチームで実現していきたいことは何でしょうか?

藤田:まだまだお客様ごとのカスタマイズには課題があります。お客様の業務プロセスにあわせて生成AIを活用したワークフローを構築するには工数もかかりますし、構築後の保守・運用も属人的になってしまいがちです。お客様の業務に生成AIを活かすための汎用的機能を開発するなど、テクノロジーで課題を解決していきたいと思います。

今は私たちがお客様ごとにAIオンボーディングを実施しているのですが、将来的にはお客様自身がAIオンボーディングを実施できるような仕組みをつくりたいです。

恩田:現状の仕組みでは、1人のPjMと1人のAIワークフローエンジニアでは1案件しか持つことができない。今後、複数の案件を持てるようにテクノロジーを活用して、課題を解決していきたいと思っています。例えば、今はお客様の業務プロセスを聞き、それをもとにAIワークフローエンジニアがワークフローをつくっているのですが、今後は生成AIが80点くらいのものを5秒でつくってくれるような世界観を目指していきたい。自分たちの人的リソースの課題も生成AIによって解決していきたいと思っています。

──ありがとうございます。最後に採用候補者に向けてメッセージがあればお願いします!

恩田:生成AIを活用したビジネスの正解がわかっていない状態なので、その正解を自分の手で作っていきたい人には、AI・LLM事業部はすごく良い環境です。また、エンジニアの仕事も生成AIによって大きく変わろうとしている中、「このままでいいんだろうか」と不安がある人は、ぜひ一度カジュアル面談で話をしましょう。

藤田:自分は大学院を休学・中退してLayerXに入社したのですが、これだけ技術進化のスピードが速い中、2年間も研究室で研究だけしていたら、気がついたときには世界が変わってしまうのではないかと感じたこともきっかけの一つです。少しでも興味があれば、一度当事者としていきなり飛び込んでみるのも面白いのではないかと思います。

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