デザインの力でみんなの仕事を拡張したい。自らも領域を拡張し続けるバクラクのコミュニケーションデザイナー(#LXエモカレ)
LayerXで働く人たちの心のうちに迫る「LayerXエモカレ」。今回は、バクラク事業部コミュニケーションデザイナーの住岡梓にインタビュー。
2024年9月に発表したバクラクのリブランディングや、コミュニケーションデザイナーのコミュニティ「Communication Design Night(通称、コムデナ)」の企画など、社内外問わず活動の幅を広げている住岡。デザインが好き、プロダクトが好き、コミュニティが好き、たくさんの「好き」を原動力に前進する彼女のLayerXでの18ヶ月を振り返ります。
組織としてデザインにコミットする意思を感じて入社を決意
——LayerXにジョインしたきっかけは?
最初のきっかけはスカウトメッセージでした。その頃はまだ、会社全体として「デザインにコミットする」ことを大々的に外に向かって発信していなかった時期だったので、正直なところお誘いをお断りするつもりだったんです。
でも、身近にいるエンジニアの人が、「デザインの領域はまだまだこれからかもしれないけど、エンジニア領域ではすごく優秀な人が集まっていると噂の会社だし、とりあえず話を聞いてみたら?」と言ってくれて。それで、話だけでも聞いてみようかなと。
——実際、カジュアル面談をしてみていかがでしたか?
カジュアル面談から選考に進んで、いろんな方と話をして感じたのが「どの人と話しをしても気持ちがいいな」ということでした。どうしても選考って”値踏み”されていると感じることもありますが、そういうことが一切なく、最後まで対等に「何がお互いにとっていいのか」という話ができたことが、すごく良い候補者体験だったんです。
みんなすごくデザインが好きなんだなということが、どの人からも感じられて、こういう人たちと働けたら楽しそうだと思えたことで、入社に前向きになっていきました。
——最後の決め手は何だったんですか?
やっぱり、野﨑さんの存在は大きかったです。ちょうど内定のオファーが出たくらいに、野﨑さんが入社したことがオープンになって。組織としてデザインにコミットするという意思を感じて、これなら間違いないと思ったんです。一人ひとりのデザイナーたちは皆さんすごく素敵でしたが、組織としてデザインにどう向き合っていくのかが最後まで気になっていたので、野﨑さんの入社が最後の決め手になりました。
——実際に入社されて、いかがですか?
まず、本当に居心地が良いんです。デザイナー同士がすごく仲が良いんですが、ぬるま湯的な仲良しではなく、思ったことをきちんと言える信頼感がお互いにあるのがとても良いなと思います。
時には厳しいことも言われるけど、プロダクトのこと、事業のことを第一に考えている目線が同じなので、素直に受け入れられるんですよね。一緒にひとつの大きな目標に向かっている感覚を日常から持てることは、やりがいにもつながるので嬉しいですね。
ちょうど私が入社したタイミングで、コーポレートリブランディングのプロジェクトが走っていて、メンバー全員で新しいロゴの候補に投票していることにも良い意味で驚きました。
これまでの経験だと、決まったものがある日ドーンと発表されることが多かったので。リブランディングにメンバーを巻き込むことで、「社内でのデザイナーの存在感」や「これからはデザインにもコミットしていくんだ」という空気を作ろうとしていると感じた瞬間でした。
王道だけど親しみやすく、親身だけど先進的。バクラク“らしさ”を追い求めたリブランディング
——「バクラク事業部のデザイン」と一言で言っても、プロダクトの数が多いことが特徴だと思いますが、その辺りはいかがですか。
入社してすぐの頃は、本当に大変でした。ひとつのプロダクトを理解することも大変な作業なのに、入社当時で5つのプロダクトがあり、その上さらに増え続けているので、正直すべてを完璧に理解するのは難しいなと感じています。
ひとつの施策を進めるなかで、いろんな人と話をして、使いたいと思ってくださるお客様やシーンが具体的に想像できるようになり、それに合わせた切り口を見出していくというプロセスを繰り返している感じですね。
——2024年9月には、バクラクもリブランディングを行いました。
入社する前から、ずっと議論はされていたらしいのですが、実際にものづくりをするなかでも、もっと「バクラクらしさ」の定義を明確にする必要性を感じていました。例えば展示会で「お祭り」をテーマにブースの装飾をしようとなっても、「バクラクらしさ」の軸がないと何でもできてしまうんですよね。
たくさんのプロダクトがあるからこそ、一本の線というか、ひとつの軸が明確に定義され、共通認識になってほしいと思っていました。
——リブランディングするにあたり、バクラクを「こう見せていきたい」といったデザインチームの思いなどはありましたか。
これまでのロゴは親しみやすく、「バクラク」という名前を知ってもらうためにはすごく良かったと思っています。その分、本当はとても先進的なことをやっている特異性がうまく伝わっていないと感じていました。もっと簡単に言えば、「今のままでも十分素敵だけど、これからは、スーツを着てパリッとした感じも必要になるだろうな」みたいな感じです(笑)
ただ、あまりに高級感のあるリッチなデザインにしすぎると、お客様に寄り添うユーザー目線でのものづくり感が薄まる気がして、これまでの親しみやすさ、親身になってくれそうと思われる柔らかさはそのままに、技術的に優れていることが伝わるデザインを目指していきました。
あとは「王道」であることも意識した点です。お客様に大手企業も増えてきているので、歴史のある会社と並んだときにも浮かないデザインは何だろうと考えていました。例えば、銀行のロゴって堂々として見えますよね。バクラクの歴史はまだまだ浅いけど、これから歴史を作っていく立場として、「王道感」は外せないポイントでした。
本当に良いユーザー体験を磨き込んでいるからこそ、その価値をきちんと伝えるために今までよりもちょっとだけ「シュッと」させてかっこいい感じにする。ただ見てくれだけを良くするためのリブランディングではなく、自信を持ってより多くのお客様に価値を届けられるようになれば良いなという思いを込めたプロジェクトです。
https://note.com/azusanpome/n/n1db8b0f7b09d
デザインのロジックよりもお客様の使いやすさ
——その他に、リブランディングで印象的だったことは?
今、使ってくださっているお客様が戸惑わないようにロゴやプロダクトカラーを差し替えることをプロジェクトの一番大事なことのひとつにしていました。
バクラクはこの先もプロダクトが増え続けていくので、当初はプロダクト別のカラーをやめて、全プロダクト共通の“バクラクカラー”1色にしようという話もあったんです。
プロダクトカラーを絞れば、ブランドの印象を強められますし、ひとつのデザインルールに則れば良いので負債がすごく減る。複数のプロダクトを生み出し続ける、バクラクの開発スタイルにも合っているやり方だよねと話していました。お客様にとっても、色を識別する負担が減ると思っていたんです。
そんな時、プロダクトマネージャーのnumashi(飯沼)さんが「お客様と話してみたほうが良いですよ」と言ってくれて。それまでプロダクトについてのインタビューはしたことがあったけど、「バクラク」というブランドに対してのインタビューはしたことがなかったので、何社かの方にご協力いただいて話を聞かせていただきました。
そのなかで、めちゃくちゃハッとしたことがあって。作業をしていると、すごい数のタブを開きますよね。そうすると「ロゴ+プロダクト名」がギュッと小さくなって「ロゴ」しか表示されなくなる。その状態で、あるお客様はバクラクのプロダクトごとのカラーでタブを識別されていたんです。
それを見たとき、「ロゴが大きく変わるこのタイミングでは、絶対に1色にしちゃダメだ」と自分のなかで確信して。デザイン上の整合性とか、他社さんの事例とか、そういう先入観で考えていたけど、実際に使うのはお客様なので、そこに使いづらさを生んではダメだと思いました。
——お客様の声もリブランディングに反映されているんですね。
実際にロゴや色味を変えた画面をお客様に見ていただくテストも事前に行いました。私たちからすると些細な変化でも、お客様から見ると大きな違和感があることもあり、それだけ日常的に使っていただいているんだと実感しましたね。いずれは慣れることとは言え、できるだけお客様のストレスになることは避けようと、ロゴや色の差し替えを慎重に進めたことも印象深かったです。
LayerXがコミュニケーションデザイナーの交差点になってほしい
——中心となって開催されている「コムデナ」のこともお聞きしたいのですが、企画したきっかけは何だったんですか?
最初は、採用イベントというよりコミュニティ作りをしたいという思いが起点で始まりました。もちろん、仲間になってくれる方はほしいけど、すごく突出したデザインで人を集めることは難しいし、まだ社内のノウハウも整理できていない状態なので、イベントを通してそれを伝えることも難しい。「何だったらできるだろう……」と考えて行き着いたのが「コムデナ」でした。
コミュニケーションデザインをインハウス(事業会社)でやっている人が少ないので、みんなのノウハウを交換し合える場がほしいなと、ずっと思っていたんです。
1年ほど前から始めて、今度で6回目になります。3回目の会だったかな。若手のデザイナー3人が話しかけてくれたんです。すごく仲が良さそうだったので、同じ会社の同期かな?と思っていたら、それぞれ違う会社で。よくよく話を聞いたら、コムデナで知り合って歳が近いので仲良くなって、LINEグループを作って日頃から交流しているらしいんです。
デザイナーは採用の枠自体が少なく、同期もなかなかいないので、友だちができて嬉しいと言われて、企画して良かったなあと心底思いましたね。
私自身も、「コムデナ」を通してロールモデルにしたいと思う方と知り合って、交流が続いているので、もちろん採用につながれば嬉しいですが、その手前でデザイナー同士の結節点として「コムデナ」が機能してくれると良いなと思っています。
——これからやりたいことは何ですか?
リブランディングのプロジェクトを通して、バクラク事業部の全部署のメンバーと話をしてみて、改めてデザインが事業に資する可能性を感じました。
営業の資料ひとつとっても、ただ綺麗にするだけじゃなくて、「今の要件に加えて、こういう要素を入れたらもっと相手のハートに届くようになりますよ」と提案してみる。これまでより、もっと深く一人ひとりのメンバーと向き合って、みんなの仕事が拡張するような、そういうデザインをしたいと思っています。
LayerXではデザインの力でビジネスを加速させる仲間を募集しています
バクラク、Fintech、AI・LLM……多様な領域のビジネスが交差するLayerXでは、さまざまな経験、バックグランドを持ったデザイナーが活躍しています。まずはお気軽に、カジュアル面談でお話しませんか?