自分たちの意思決定が世界の潮流を作る——まだ見ぬ生成AIの可能性に圧倒的知的好奇心で向き合う“挑戦者”の姿(#LXエモカレ)
LayerXで働く人たちの心のうちに迫る「LayerXエモカレ」。30回目となる今回は、AI・LLM事業部からプロジェクトマネージャーの小林誉幸(こばやし たかゆき)が登場。
新卒で日本銀行に入行し、経済調査や政府統計、決済制度の企画立案などに携わったのち、三菱UFJリサーチ&コンサルティングでの戦略コンサルタントを経て、2020年に弁護士ドットコム入社。クラウドサインを担当する執行役員として事業戦略やプロダクトマーケティングを管掌していました。
そんな小林に、LayerXへの入社理由を問うと——ビジネスの領域から社会、そして世界をも大きく変えることがしたいと語る小林の、うちに秘めた熱い思いを聞きました。
0→1の環境で“修業”するつもりで飛び込んだLayerX
——LayerXに入社する前のキャリアについてお聞かせください。
前職では執行役員として、事業戦略や組織マネジメント、マーケティングやブランディングなど、幅広く携わっていました。いわゆるCOOのような役割を担っていた形です。
新卒で日本銀行に入った頃はビジネスとか経営などにはほとんど興味がなく、政策から世の中を変えていきたいという思いがありました。そこから次第に関心がビジネスや経営に移っていくなかで、前職の会社がビジネスの側から法の解釈を変え、社会を大きく前進させる取り組みを実現したのを目の当たりにして。政治や法律、社会に働きかけながら事業を成長させていくダイナミズムを感じて、すごくワクワクしたんです。
民間の企業からでも社会を変えられる実感や手応えを得られたことは、非常に大きな出来事でした。
——そこから、なぜLayerXへ?
正直なところ、前職で執行役員になったタイミングが自分のなかでは「早かったな」と感じていました。もちろん、そう評価していただいたことはありがたかったですし、自分なりに全力を尽くしてきました。ですが、もう一度しっかりと現場で事業やプロダクトに向き合いたい、ちゃんと“修行”したいと思ったんです。
特に営業やプロダクトマネジメントの領域は、より力をつけたいと思っていたので、そこに地に足つけてコミットできる環境を探していました。
前職の頃から生成AIについては情報収集をしており、その伝手でCTOの松本さんと知り合って。率直に「めっちゃ面白い人だな」と思ったのがLayerXに興味を持ったきっかけです。バクラク事業部にも知り合いがいたので、いろいろ話を聞いていくなかで、現在のAI・LLM事業部の前身となる「LayerX LLM Labs」が立ち上がったのを耳にし、いろんな縁とタイミングがつながってジョインしました。
——その頃はまだ、事業化の見通しなども立っていない状況だったと思います。躊躇はありませんでしたか?
なかったですね。「修行したい」という思いに対して、これ以上ない環境だと思いましたし、これまでも自分の意思決定で「間違えた」と感じたことはなかったので。ありがたいことに、なんだかんだ運が良いんです(笑)。仮に、チャレンジした結果うまく行かなかったとしても、きっと良い経験になると思いましたし、日銀のときからずっと強い興味を抱いていた生成AI領域で0→1を経験できること自体が最良の条件だと感じていました。
新しいことに対するお客様の「覚悟」がプロジェクトを成功に導いた
——現在、「AI・LLM事業部」でどのような役割を担われていますか。
役割としては、「プロジェクトマネジメントチーム」のマネージャーです。このチームは「Ai Workforce」の導入に必要なことを何でもやるチームで、業務プロセスの整理や生成AIのチューニング、プロダクトオーナーの役割を担いながらお客様に伴走してプロダクト導入後のサクセスを支援していくことをミッションとしています。
直近ですと、三菱UFJ銀行(MUFG)様のプロジェクトが大きな使命でした。MUFG様は初期の提案活動から最近のリリースに至るまで一貫してご支援しているのですが、導入までのプロジェクトマネジメントだけにとどまらず、先方の事業戦略やAIに関する計画などを踏まえ、先々のフェーズまで見越しながらディスカッションも重ねて伴走支援を行いました。
——歴史のある大手企業への導入支援は大変なことも多かったのではないでしょうか。
大変なことはもちろんたくさんありましたが、プロジェクトに対する先方の本気度、熱量がとても高かったことに助けられました。今回のような大手の金融機関がスタートアップの先端技術を導入する場合、セキュリティポリシーや法的な論点整理など関係各所との調整に多大な手間がかかります。
ですが、先方の担当者の方が行内の調整に積極的に動いてくださるなど、プロジェクトを成功させるんだという本気度がとにかくすごかった。時には、タスク管理やユーザーインタビューのファシリテーションなど、一般的にはベンダーが担うと考えられている役割を先方が行うこともあったほど、「お客様 対 ベンダー」ではなく、ひとつのチームとしてプロジェクトを進めている感覚がありました。
新しいことをする上で生じるさまざまな事象に対しての先方の覚悟があったからこそ、成し遂げられたことだと思っています。とはいえ、導入はゴールではなく、ここからが本番です。これからも更に良いプロダクト体験を届け、お客様が描く未来像に近づけるよう、最良のパートナーであるための努力は絶やさないようにしたいですね。
「新しい正解」を作るために求められるのは、精神的な胆力と圧倒的知的好奇心
——小林さんから見た、AI・LLM事業部はどのようなチームですか?
一言で言うと「個が強い」チームです。一人ひとりが培ってきた経験が濃いので、プロフェッショナル同士がより高みを目指すために切磋琢磨している感じかなと。一人ひとりの理想を昇華させるためなら、対立も厭わない。そういうプロとしての信頼関係が成立していると感じています。
あとは、まだ事業部全体の人数も少ないので、開発メンバーとビジネスサイドのメンバーの垣根が低いのも良いところだなと思っています。お客様からの要望や、ビジネス側から見た改善案を率直に開発メンバーに伝えて議論することも多いので、全員でプロダクトを作っている感覚があります。
生成AIはまだまだ分からないことも多く、ビジネスモデルの正解も見出されていません。自分の持っている知識や経験のすべてをさらけ出し、議論を重ねることでしか「新しい正解」を導き出すことはできないと思うんです。「正解を作る」ことは並大抵のことではありませんが、お互いを信頼・尊重しあえるAI・LLM事業部のメンバーとなら、成し遂げられるかもしれないと期待しています。
——「成功を作る」難しさをどう乗り越えていくのでしょうか。
先ほども少しお話ししたように、生成AIの領域で「成功しているビジネス」は世界的に見てもまだ多くはありません。多くのユーザーに使われているプロダクトは様々ありますが、例えばSaaS領域のように「こうすれば事業が成長する」といった、収益性も含めた「成功」のビジネスモデルは確立されていないんです。
それは、生成AI自体が日々進歩していくので、事業の前提が半年程度で大きく変わるなど、非常に不確実性が高いことが要因のひとつだと考えられます。だからこそ、一人ひとりの日々の意思決定がすごく重たいんです。自分が立てた戦略や意思決定が、「Ai Workforce」というプロダクトだけでなく、もしかするとグローバルの潮流にも影響を及ぼすかもしれない。
それにはもちろん怖さも感じますが、AI・LLM事業部で仕事をしていて一番楽しいと感じる部分でもあります。何も見えないなかで、5年先、10年先の「正解」を作っていく。世界で初めての生成AIビジネスの成功例を自分たちが作れるかもしれないんだ、って思うとすごく世界が広がる感覚がするんです。
その分、精神的な体力——胆力と考え抜く力も試されます。新しい技術に触れて、ただ「楽しい」や「すごい」で終わらずに、その技術が全体の潮流のなかでどのような位置付けで、それをどう自分たちの事業に活かせそうなのか。専門的、学術的な知識がなくても考えることはできます。本質的に考え、自分の言葉で語り、仲間たちと議論を重ねる。そういう愚直なことに真剣に取り組めるのもAI・LLM事業部の面白さだと思います。
「Ai Workforce」で世界に「Wow!」を届けたい
——AI・LLM事業部にフィットするのはどういう方だと思いますか?
繰り返しになりますが一番は、知的好奇心が旺盛な方ですね。生成AIは日夜進歩しており、次々に新しいモデルや研究成果などが出てきています。専門家である必要はありませんが、少なくとも先端技術に対しての興味関心や、自分で新しいものを試してみる好奇心、そこから得た知識を自分の思考に落とし込むことが好きな方には、AI・LLM事業部をおすすめしたいですね。
ちょっと堅苦しい言い方になりましたが、詰まるところ「いろんなことにワクワクし、楽しんでトライできる人」が一番だなと思います。AI・LLM事業部はまだ全体で20名ほどの比較的小さなチームなので、みんなでより良いプロダクトを作ることに真摯になれる方に仲間になってもらえると嬉しいです。
——今後の展望は?
少しビジョナリーな話になってしまうのですが……業務効率化と言っても、僕たちが目指しているのは感動的な体験を生むプロダクトの提供です。ある業務が「ちょっとラクになる」のではなく、生成AIの力で仕事の常識を変え、世界をも変えるような体験を作りたいと本気で考えています。
LayerXのAI・LLM事業部でプロダクト作りに没頭したい方を募集しています
多様なバックグラウンドや経験を持つメンバーと共に、生成AIビジネスの「正解」を作るために、さまざまな挑戦をしてみませんか?ご興味のある方は、まずはカジュアル面談でお話ししましょう。