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新しい価値を最大化した状態で提供すること= "LayerX x Blockchain x Security"|#入社エントリ

こんにちは、鈴木研吾(@ken5scal)と申します。
NRIセキュアテクノロジーズ -> マネーフォワード -> FOLIO -> LayerX(今ここ)という経歴で、Androidアプリ開発とか情シスとかSREをかじりつつ、Fintechやら金融業界におけるエンタープライズセキュリティを軸に活動しています。

個人的な活動ではSecure旅団という同人誌サークルを主宰したり、セキュリティ・キャンプ全国大会(2019)の講師を担当したり、Zero Trust Networks* の監訳をしています。
*株式会社オライリー・ジャパン『ゼロトラストネットワーク ――境界防御の限界を超えるためのセキュアなシステム設計』Evan Gilman、Doug Barth 著、鈴木 研吾 監訳

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好きな領域はサイバーセキュリティとデジタルアイデンティティです。

入社の経緯

アイデンティティ分野でSelf Sovereign Identityという比較的新しいユースケースの調査中に、LayerXニュースレターのツイートを見つけたことがきっかけです。

当時はツイート元アカウント(=弊社の@th_satさん)が「バルセロナ在住」だったり、訪問先ホームページが英語だったり、内容が先進的すぎたことから、国内向けのブランディング用にわざわざ日本語のニュースを配信する奇特な外資系だと思い込んでました。

しばらく勘違いしたままニュースレターを追ってましたが、新経営体制のニュースやら弊社のCEOである福島(@fukkyy)さんの「まずは金融にはります」的感じのツイートから、ようやく活動内容を知ります。去年の9月くらいかな。

ちょうど今の金融システムに課題を感じていた自分は、とりあえずWantedly経由でお話を聞きに行きました。それから取り立てドラマチックなこともなく、今年の3月に晴れて入社しました。

私 meets Blockchain

ブロックチェーンとは2013年にインターネットで出会いました。きっかけはビットコインで取引をしていたシルクロードという闇サイト(Dark Web)がFBIによって閉鎖されたというニュースです。

当時は、匿名ツールを悪用したクラッキング行為が話題になっていたこともあり、ビットコインについては闇市場のアンダーグラウンドマネーという認識しか持てませんでした。ググった際に読んだSatoshi Nakamoto論文にもいまいちピンときてなかったことを覚えています。いま考えれば、なんと理解度の浅かったことでしょう。あのとき買っときゃよかった。

そんな経緯からブロックチェーン(と仮想通貨)からは距離を置いていたのですが、世間の注目は増し続け、やがてその影響は自分が追っていたIdentity分野にも及びます。European Identity & Cloud Conferenceという欧州のカンファレンスでは、多くのブロックチェーン x アイデンティティのユースケースが講演され、(2019年に参加した)私はそこで、ブロックチェーンの特性や可能性を確かに感じ取りました。

そこから自分の業務に応用して、(いい意味で)手抜きできないかな、効率化できる部分がないかな、と思案するようになりました。

Blockchainと実務

一方、自分の本業はFintechや金融業界にあり、スタートアップからの機動力あるアプローチと、世界的な潮流からか、直近5年ほどの変化は凄まじいものがあります。

スクレイピングからオープンAPI化にむけた「銀行法等の一部を改正する法律」の成立、ゴリゴリの規制配下にある証券領域でのスタートアップ、そういったスタートアップと非金融領域におけるチャットを提供するサービス事業者の資本連携、FacebookによるLibra電撃発表から各国の法体制整備とCBDC推進....…。

特筆すべきは、非金融サービスと金融サービスが提携しあうことによる、金融のアンバンドリング・リバンドリングです。
これ自体は、元金融庁長官の森さんが目指した「主導権がそれぞれの顧客」にあり「顧客情報に根ざす共通価値」生まれていく金融サービスを実現する上で、むしろ歓迎すべき過程だったのではないでしょうか。

しかし、サービスの表側がどんなにアンバンドリングされているように見えても、内実の業務やコスト構造を変えられていないというのが正直な感想です。

そういった金融の根本的な部分にメスをいれ、生産性をスケールできるようにしなければ、どこかのタイミングで「息切れ」を起こす可能性があり、これを解決するための恒久的な変容(Transformation)を目指す必要があるように思えます。
そのためにはLayerXのミッションである「すべての経済活動をデジタル化」する必要があり、ブロックチェーンが1つの解になると自分は考えます。

やりたいことは "LayerX x Blockchain x Security"

もちろん、ミッションの達成は簡単なことではありません。既存のシステムが「そう」なってるのは、一定の合理性を積み重ねた上で「そう」なっているからです。これをガラガラポンすることは難しいです。

既存のものをリスペクトしたうえで、ゼロベースで現代にあわせた考え方で再構築する必要があります。これは弊社だけではとても無理な取り組みですが、幸いにも、弊社のビジョンなどについて、いくつかの名高い国内企業様に共感いただいております。これほどまでに強力なビジネスパートナーと新しい価値を創造していく機会に恵まれる幸運はなかなかないでしょう。

一方、新しい価値の影には新しいリスクが潜みます。具体的な実装や仕組みは弊社とは異なりますが、去年や一昨年あたりに話題になったリリース後まもないサービスのインシデント事例は、皆様の記憶にも新しいのではないでしょうか。

もし、仮に我々が取り組む座組にあるリスクが顕在化した場合、弊社だけでなく、パートナーの皆様、そして何よりもサービスに期待いただくユーザー様に大きな影響を与えます。変容が悪いベクトルに進んでしまっては、元も子もありません。

したがって、こういったリスクにセキュリティの観点からアプローチして信頼性を最大化するのが、自分の役割になるでしょう。既存のサイバーセキュリティリスク対応に加え、ブロックチェーン(バプリック、コンソーシアム、イーサ、cordaなど)特有な対応を考えると、今からてんてこ舞いです(笑)

また、デジタル化は本質的に自分の得意分野であるゼロトラストと相性が良いので、LayerX内のゼロトラスト化で信頼を高めつつ、パートナーの歴史・環境に合致したゼロトラストモデルの提供などもできるようになると嬉しいです。

新しい価値を最大化した状態で提供することこそ自分のやりたいことですので、それをブロックチェーンという基盤で、ゴリゴリの規制がかかる事業に力強いメンバーと携われて本望です。

恐ろしくもあるこの千載一遇の機会、緊張感をもって楽しませていただきます。

最後に

来月、以下のオンラインイベントに登壇予定です。ご興味がある方ご登録ください!

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