セールスの枠を超えたエコシステムを創る。パートナーアライアンス部長・鈴木竜太が「数字」よりも大切にするもの
2024年2月1日にLayerXに加わった新たな仲間、鈴木竜太(すずき・りゅうた)。パートナーセールスのプロフェッショナルとして、セーフィー株式会社で執行役員 営業副本部長兼VPoS、セールスイネーブルメント室長を務めた鈴木。
「ARR約90億、売上100億円に迫る取り組み」を推進してきた彼が大切にする価値観は、「三方よしを常に意識すること」。目先の売上だけにとらわれない、パートナーセールスの本質、そしてなぜ今LayerXを選んだのか。その思いに迫りました。
さまざまな企業と共創し、社会を前進させる力を生み出すのがパートナーセールス
——鈴木さんはこれまでずっとセールスの領域でキャリアを歩まれてきたのですよね。
新卒で通信会社に入社し、そこで営業の基礎からパートナーセールスの面白さまで、たくさんのことを教えてもらいました。その後、ウェブアプリの会社を起業し、エンジニアリング以外は全部やったと言えるくらい、営業だけでなくマーケティングやPR、採用、経営などあらゆることを経験しましたね。
その後、セーフィー株式会社に転職し、ダイレクトセールスから始まり、パートナーセールスやセールスイネーブルメント、HRBPと連携した組織開発などに取り組みました。僕が入社した2016年当時は、まだ社員数が十数名だったので、営業としてなんでもやった7年間でした。
——キャリアの初期からパートナーセールスに携わられていますが、鈴木さんの考える「パートナーセールスの面白さ」とは何でしょうか。
いろんな方と協力しながら、自社の力も最大化し、社会に貢献できる可能性を強めていくことですね。自分たちの力だけでは、本当に社会を変えることはできないと思います。経済のエコシステムの中で、さまざまな企業とパートナーシップを組み、経済や社会を前進させていく力を生み出すのがパートナーセールスだと思っています。
バクラクを通して、日本経済に貢献したい
——どうして今、LayerXを選ばれたのでしょうか。
元々、LayerXの創業時から動向はチェックしていたんです。代表の福島さんやメンバーひとりひとりの発信を見ながら、テックドリブンかつカルチャーをとても大切にしている会社だという印象を持っていました。
ブロックチェーン事業からピボットし、バクラク事業やFintech事業など複数の事業が着実に成長していく様子を見て、純粋にどんな会社なのか気になって。転職する気は特にありませんでしたが話を聞いてみようと、採用ページから直接カジュアル面談を申し込みました。
さすがにそのときの面談で、事業の解像度が上がるところまではいきませんでした。ただ、カルチャーがしっかり浸透していることは感じられて、その感覚がすごく気持ち良かったことを覚えています。
その後、改めてLayerXメンバーの事業に関するnoteの記事などを読むと、バクラクが取り組んでいる法人支出管理領域は大企業から中小企業までのPL(損益計算書)を強くし、日本経済に貢献できる可能性をとても感じました。
僕は、仕事を通じて社会にどう貢献できるのかという価値観を大切にしています。起業したときも、前職に転職したときも、その軸はブレなかった。加えて、セーフィーで執行役員として経営に近いところで仕事をするようになって、視座が上がると同時に日本経済と組織のことを深く考えるようになりました。経済を良くするためには「強い会社」を増やさなければならない。そういう意味で、LayerXが目指す世界に強く共感したんです。
また、僕自身40歳を超えて、年齢的にも体力的にも、スタートアップで熱狂的にチャレンジができるのは今が最後なのではと思ったことも大きかったですね。もう一度熱狂するなら今しかないなと。
——LayerXのメンバーと交流してみてギャップなどはありましたか。
入社前に思っていたカルチャーの浸透度については、思っていた通りでした。ひとりひとりが行動指針を体現していて、改めてカルチャーを大切にする風土を感じています。今の組織規模で、ビジネス・エンジニアリング両方にイネーブリングチームがあることも、組織を大切にしながら会社を大きくしていこうという意思の表れだと思うので、とても共感する点です。
また、シリアルアントレプレナーや2周目人材が多い組織なので、私自身がアンラーニングして学ぶ機会が多そうで楽しみにしています。バクラク事業のドメインやプロダクトの複雑さも、学ぶことが多く、すごく楽しいんです。サービスがよいのにお客様へ届けるベストな方法がパッとは思いつかない、解決が難しいことに取り組むほうが面白いと感じる性格なのかもしれません(笑)
義を大切にしながらビジネスをすることが、結果的に成功に繋がる
——LayerXのカルチャーで一番好きなものはなんですか?
「徳」です。元々、本当に成し遂げたいことに辿り着くためには、徳を持って進まないといけないという考えを持っていました。もちろん事業なので短期的な売上も大切ですが、長期目線で考えないとパートナーさんをはじめ、仲間を巻きこみ共創できない。
福島さんが言っている「短期的には非合理だけど、長期的に合理的なことをやろう」という考えは、まったく同じ考えをもっていたので、福島さんのその言葉だけをX(旧Twitter)で投稿したことも(笑)
短期的には非合理でも、長期的には合理的な判断をするほうが、結果的にお客様のためになるし、営業戦略上の強みにもなっていくんです。セーフィーにも「先義後利」「三方よし」といったカルチャーがあり、義を大切にしながらビジネスをすることで成功に繋がった経験があるので、LayerXでも「徳」を大事にしたいなと思います。
——会社が拡大していくなかで、長期的な合理性を担保し続けることは難易度の高いことでもあります。
LayerXもこれから売上げが拡大し、関わるステークホルダーも増え、判断にすごく悩む場面が多く出てくると思います。そういうときに立ち戻るべきものがカルチャーだと思います。「このカルチャーから考えると、どう判断すべきなのか」と考えて決めたことは、仮に失敗しても「あのときカルチャーに基づいて判断したから、会社としては正しかった」と言える。そういう積み重ねが、「カルチャー」を醸成していくのだと思います。
常に社会に目を向けられる人と一緒に働きたい
——これからLayerXでどういうことに取り組んでいきますか。
パートナーアライアンス部の部長として、3年後、5年後にパートナーの方々とどういう状態になっていたいのかを考えていきたいですね。足元の売上も重要ですが、「売上が上がって良かったですね」だけじゃなく、一緒に日本経済や社会を良くしている実感を持てるかどうかを大切にしたい。そういう瞬間を増やすために日々の業務に取り組みたいと思っています。
——パートナーアライアンス部は立ち上がって間もないチームですが、これからどういう人と一緒に働きたいと思われますか。
明確に3つの層があって、まず社会に対してどう貢献していきたいのかを考えているか。次に、それを実現するためにこの会社・サービスを選ぶと言えるか。そして最後に、その場所で仕事をすることでどう成長したいかがイメージできているか。つまり、ベクトルが自分ではなく外に向いているということなのですが、この順番で物事を考えられる人と働きたいですね。
僕自身、子どもが生まれて社会をより良くする仕事がしたいという思いが強くなりました。さすがに、地球温暖化を食い止めるような壮大な仕事はできなくても、せめて日本やさまざまな企業を1社1社より良くすることはできるかもしれない。そうやって、自分の手の届く範囲でインパクトを残せる仕事をしたいと思っています。
会社の規模に関わらず、社会のためになる会社が健全に残ることが、社会全体を豊かにすると思うんです。バクラクを使うことで足りなくなった人手を補い、人口減社会のなかでも生き残れる「良い会社」が増えれば、きっと社会はもっと豊かになる。
そのために自分自身がカルチャーを体現し、セールスパートナーの枠を超えた広い意味でのLayerXの仲間を増やして大きなエコシステムを作っていけたら良いなと思っています。