LayerXがいま、新卒採用に注力する理由【CEO福島×CTO松本】
こんにちは、すべての経済活動をデジタル化したい LayerX 石黒です。
今回お届けするのは、CEOの福島良典(@fukkyy)とCTOの松本勇気(@y_matsuwitter)が語る「LayerXがいま、新卒採用に注力する理由」。
“2周目”人材が多いイメージのLayerXですが、実は新卒やインターンメンバーが活躍する場面がどんどん増えてきました。今回は、Podcast「LayerX Now」の内容を再編集し、LayerXの新卒採用に対する本音をお届けします。LayerXが気になっている学生さんは必見です。
聞き手:石黒卓弥(LayerX執行役員)
新卒やインターンも大きなボールを持てるのがLayerXのよさ
——LayerXはこれまでもインターン生や新卒の採用を行ってはきているんですが、これからはもっとオープンに、20名とか30名という規模で新卒採用に取り組んでいきたいと思っています。それを踏まえて、最近のLayerXの雰囲気はどうですか。
福島:数字で見ると、新卒生が毎年3名〜5名くらい入社してきていて、インターン生も常時10名くらい在籍しています。若手のコミュニティもできていて、「インターンをしたからこそ出会えた優秀な仲間」の輪が広がっている感じですね。中には、友だちを誘ってきてくれる人もいたりして。
——確かに増えてますね。インターン同士のリファラル。
松本:今のLayerXは、事業だけじゃなく組織的な意味でも、ものすごい速度で拡大しています。それに応じて、在籍する人が多様になってきました。
加えて、事業拡大のスピードが組織拡大のスピードより圧倒的に早いので、新卒やインターンという立場関係なく、みんなそれぞれにミッションを背負って仕事をしています。重要な機能の開発を任されたり、ウェビナーで登壇する新卒やインターンのメンバーも増えていますし、社内表彰されたメンバーも。
自分でボールをガンガン取りに行けることはもちろん、取り組む物事の大きさがすごいので、自然と成長スピードも上がるのだと思います。
——実際おふたりの近くにいる若手メンバーの成長角度はどうですか?
福島:松本さんは化け物みたいな新卒たちと働いているイメージがある(笑)
松本:そうですね。MDM(三井物産・デジタルアセット・マネジメント)では“日本初”くらいのレベルの事業を作っているので、新卒のころからそのレベルで努力し続けられる強みがあると思います。インターンのころから活躍して、成果もバンバン出すメンバーも普通にいますし、とにかく吸収が早い。
mosaさん(榎本悠介)や(名村)卓さんのように、僕からみても化け物みたいなエンジニアたちにコードレビューされて仕事をしているので、僕も新卒になりたいって思うときがありますよ(笑)
LayerXが目指すのは「人が育ち、人を軸に語れる会社」
——LayerXは、前職まででグロースのタイミングを経験していたり、大きなスタートアップの経営に携わっていたりした、いわゆる“2周目”人材が多いイメージだと思うんですが、そのなかで新卒採用をする意義ってなんですか?言ってしまえば、ビジネスを短期成長させることだけを考えれば、ビジネスのプロフェッショナルを集めればいいという考えもあると思うんです。
福島:よく、松本さんや石黒さんと「LayerXをどういう会社にしたいか」って話をするじゃないですか。そこで出てくるキーワードが「人が育つ会社」なんですよね。若い人がどんどん事業責任者を任されて、どんどん新しい事業が生まれていくイメージ。
プロフェッショナルだけが集まって事業成長できればいいよねというより、人が育つなかで事業がどんどん生まれて、人も組織も事業も成長する会社にしたいという思いがあります。
松本:経験上、人が育つ施策に投資をすると、すごくいい経営効果を生むんです。短期的には目に見える変化は現れにくいかもしれないけど、長期で見ると重要な戦略だと思っています。
福島:会社で一番大事な資産は人だから、いい人が集まっていい人が育つことで、長期的に成長し続ける組織になれるんだと思います。綺麗事ではなく、会社とメンバー双方にメリットがあるべきだと思うんですよね。せっかく入社したんだから、スキルやチャンスを手にする機会が多いほうがいいと思うし、そういう会社に人は集まるので、いわば循環なんです。
会社にとってのメリットだけじゃなくて、働く人にとってもちゃんとメリットがあることが大事。魅力的な会社の多くが、人を軸に語れる会社だと思うので。
松本:10年、20年先を見据えると、今育つ人って会社にとっても、重要な成長因子だと思っていて。新卒って一番成長盛りな時期ですよね。その時期に、僕らのノウハウを全部提供して、それを吸収した人たちがその先の会社を作っていく。人が育つことで、10年、20年先も面白い会社であり続けられるんじゃないかと期待しています。
福島:新卒で優秀な人が入ると、その人自身がどんどん吸収して活躍してくれる面はもちろんあるんですけど、周りの“大人たち”にも影響があって。「こんな優秀な若手が入ってくれたんだから、しっかり育てないと」みたいに、マネージャーとしての意識が変わってくるんですよね。「人を育てる経験が、人を育てる」。一番いいアウトプットが「育成」なんじゃないかと思います。
次の10年を代表するであろう会社を自ら見極めよ
——事実、「うちのチームにも〇〇さんみたいな新卒ほしい」って取り合いが起こってますよね(笑)。各部門が、若手の活躍をみて自分のチームにもほしいと思って切磋琢磨する、そういう影響も新卒メンバーは与えてくれていますね。そういう社内の空気がありつつ、今のLayerXでしか得られないものってなんだと思いますか?
松本:よく「どこでインターンしたらいいですか」って聞かれるんですが、まず「成長している事業」であることがすごく大事だと思うんですよね。成長が停滞している事業だと、新しい出来事がなかなか起きなくなってくるので、意思決定の数が自ずと減ってしまう。
どれだけ自分で意思決定をしてきたかで、その後の成長角度がまるで違ってくるので、大小問わず、毎日意思決定ができる環境は貴重だと思いますね。例えば、毎週1つ意思決定するとして、年間で52個くらい、10年で500個。それが10年で数10個だとその差は歴然じゃないですか。
そういう意味で、今のLayerXはどんどん新規のプロダクトや事業が生まれていて、チームもどんどん増えていっているので、自分で決めないといけないことが本当に多いんですよね。なので、本気で成長したい、活躍したい人にとってはいい場所じゃないかなと思います。
それに、LayerXには新しいノウハウを生み出していく人がたくさんいて。開発でいえば、先ほども話したmosaさんとか、卓さん、yoshiki(中川佳希)さんとか、あげればキリがないほどのスーパーエンジニアたちが、見たこともないような設計でプロダクトを作っている。すごい人の近くで働くって、最短距離で学べるってことなので、そういう意味でも成長速度は自ずと早まりますね。
福島:僕は学生のときに起業しちゃったので、実体験はお話できないんですけど、次の10年のスタンダードになるような会社を選ぶのがいいんじゃないかと思っていて。例えば、将来起業したいとか、スタートアップの幹部になりたいという夢を持っていたとして、今それを実現している人が20年前にどこでなにをしていたかって、おそらく楽天でインターンをしていたと思うんですよね。それこそ、メルカリの(山田)進太郎さんやグリーの田中(良和)さんような、今をときめくすごい起業家たちは、なぜかみんな楽天でインターンをしていました。
その次の世代はというと、メルカリだと思うんですよね。そう考えてみると、インターネット業界は10年おきに、その後の10年を代表するような会社が生まれていて。サイバーエージェントやDeNAが出てきて、次にメルカリやグリーで。じゃあ、今から10年後は?って考えると、僕はLayerXだと思っているんです。
もちろん、それは僕たちの立場からの視点なので、学生さんにはもっとフラットに見てほしいんですけど、今すごい会社じゃなく、10年後に今のメルカリみたいになっているような会社を自分の目で見極めて選ぶことはすごく大事だと思いますね。
会社選びはある意味投資と似ているんです。株って時価総額が低いうちに投資して、その会社が成功すると儲かる仕組みじゃないですか。キャリアも同じで、その会社の将来性や、社会に対するインパクトや魅力をしっかり見て、真剣に考えて選ぶと、自ずといい意思決定になると思います。
松本:時間ってみんなに等しく与えられたリソースなので、それをどれだけ濃いものにできるかという意味で、これから10年後を代表する会社を選ぶのは大事だと思いますね。
溜め込んだエネルギーをLayerXで爆発させてほしい
——とは言え、僕らってまだまだ小さいスタートアップで、先ほど挙がったような会社さんと比較すると知名度は劣るわけですが、親御さんや先生、ご友人に「LayerXって何?」って聞かれたらどう説明したらいいと思いますか?
福島:難しいですね(笑)。僕は、日本にいろんな課題がある中で、特に人口減社会の問題にアプローチしたいと考えていて。人口が減っていく社会において、ソフトウェアテクノロジーの力で、どう生産性をあげていけるのかとか、もっと効率的に仕事を進めるにはどうすればいいかとか、そういうことに取り組んでいる会社だと説明してもらえるといいなと思いますね。ソフトウェアのってところがミソです。
それでも怪しいって言われたら、バクラクのページを見せたり、あとは三井物産さんっていう日本を代表する大企業と一緒に事業も運営している会社だよって言うと、納得してもらえるんじゃないでしょうか。
松本:もう少し噛み砕いて言うなら、デジタルやソフトウェアの力を使って、みんなの仕事の仕方とかお金の動きを便利にする会社ってなるんじゃないかと。わかりやすい例で言うと、経理や資産運用など、重たい領域をもっとデジタルやAIの力で便利にして、それによって社会全体の生産性の課題も突破していくことを目標にしている会社ですね。
——具体例を挙げるとわかりやすいですね。最後に、学生さんに直球でメッセージをお願いします。
松本:みんなに合う会社は当然ないと思っていて、それはLayerXも例外ではありません。その上で、僕らが本当に出会いたい人、一緒に仕事をしたい人は、これから新しく生まれる大きな仕事を自分で動かしていきたい、成長したいと思っている人です。
あとは、これは特にエンジニアによく言っているんですが「いつか僕をクビにしてください」(笑)。これだけ世界の技術が猛スピードで進化しているなかで、いつ僕が取り残されるかなんてわからない。もちろん、そうならない努力はしていますが、いつか僕を追い越して、僕の椅子を奪うような、そんな血気盛んな若手の方が来てくれると、僕は毎日ヒヤヒヤしながら仕事ができてとても楽しいと思っています。
福島:個人的な興味としては、「爆発する前夜」みたいな人に出会ってみたくて。僕の大学時代を思い返すと、極めてだらしない大学生だったんですよね。多分、午前中の授業に一度も行けたことがないような(笑)。なんだけど、「俺は何かでかいことをやるんだ」ってことだけは信じられていたんです。そういう人って、何か「これだ」と思うエネルギーの向かう先が見つかった時にすごく頑張れる。「私はやれるんだ」って思いながらも、朝起きられないような人が、LayerXに出会って爆発する瞬間をみてみたいですね。
仕事はお金稼ぎ、趣味は別っていう考え方ももちろんいいと思いますが、人生すごく長いので、せっかくなら仕事も趣味の一貫になるくらい夢中になれると、もっと人生が楽しくなるんじゃないかなと思います。
自分はスタートアップで頑張れないんじゃないかって思う人ほど、意外とフィットすることもあるので、自分の可能性に蓋をせずに飛び込んできてほしいですね。