気づいてもらえないほどの小さな“Give”がいつか大きな活躍の場に繋がる。メンバーの可能性を引き出すEnablementの仕事とは?(#LXエモカレ)
LayerXで働く人たちの心のうちに迫る「LayerXエモカレ」。第20回目は、横断組織のBizEnabling室と、この春からセールス部に新設された営業企画部も兼務する山根麻耶(以下、maya)が登場。
セールスとしてLayerXに入社後、バクラク事業部を横断するBiz Enablingを担ってきた彼女。「全く同じ内容のままで、研修を実施したことがない」と言うほど、メンバーひとりひとりに向き合い、試行錯誤を続けて来ました。なぜそこまで「人のため」に頑張れるのか。「サービス精神のかたまり」の彼女に聞きました。
変化の激しいスタートアップだからこそ、“ブレないカルチャー”を大切にしたい
——mayaさんは新卒からずっとセールスとしてキャリアを積まれてきていたんですよね。
そうですね。ただ、私が若手のころは今で言う「THE MODEL」のような分業体制ではなかったので、飛び込み営業やアウトコールもやれば、受注後のお客様の導入支援もやるなど、フィールドセールスの枠を越えて、インサイドセールスやカスタマーサクセスのような仕事まで経験しました。
——転職を考えたきっかけはなんだったのでしょうか?
ひとつは、子どもが小学校に上がるまでに働き方を変えたいと思ったこと。もうひとつは、これまでの営業の経験を活かし、イネーブルメント領域にチャレンジしたいと考えたことでした。
そういうことを考えていたタイミングで、ちょうどLayerXからスカウトをもらって。そのころ、私の中ではLayerX=ブロックチェーンの会社という認識で止まっていたので、改めて事業内容や働き方を調べてみて興味を持ちました。
——LayerXを選んだ理由をお聞かせください。
一貫してカルチャーが浸透していたことです。会社って、良くも悪くもそれぞれのレイヤーから見ている景色が違うものだと思っています。なので、私はどの会社を受けるときも必ず、どの過程の面接でも同じ質問をするようにしているんです。
LayerXの面接のときも「御社の特徴的な企業文化や風土はありますか?」と一次面接から最終面接まで質問したのですが、ほぼ全員が同じ軸で回答をしてくれて。こんなに組織カルチャーが浸透しているところは他にないと思い、LayerXに決めました。
スタートアップはどんどん状況が変わる環境なので、“どんな”仕事をするとか、“何の”プロダクトを担当するかで考えると、会社のフェーズが変わった瞬間に「想像と違う」ということが起きやすい。なので私はあくまで、カルチャーや人をどれだけ大切にしているのかを重視していました。
——その後、セールスイネーブルメントを経てBizEnablingに従事されていますが経緯を伺えますか?
初めは、営業の生産性向上のためにセールス部内にイネーブリングチームが立ち上がりました。その時点では、まだ私もフィールドセールスを7割、イネーブリング3割くらいで業務を進めていました。元々セールスイネーブルメントに関心があったので、段階的に専任になっていくのかな、というくらいの感覚でしたね。
その後、2023年7月からはフィールドセールスに限定せず、インサイドセールス、カスタマーサポート、マーケティングなど、バクラク事業部を横断したイネーブリング組織に変わっていきました。
同じプログラムは一つとしてない。参加者に合わせた“カスタムメイド”のオンボーディング
——具体的に、BizEnabling室の役割はどういうものなのでしょうか。
昨今「生産性向上」という言葉が叫ばれていますが、それだけを突き詰めるならテクノロジーの力で数値的な改善はできると思います。でも働いているのは「人」なので、もっとソフトな部分——働きがいなど数字では測れない部分もサポートし、個々人の可能性を最大化することがBizEnablingの目的です。
——LayerXは組織規模が大きくなるにつれ、ジョインするメンバーのバックグラウンドも多様になっています。mayaさんがイネーブリングにおいて大切にしていることは何ですか。
特に、入社のオンボーディングは責任が大きいと感じています。なので、ひとつの研修フォーマットを作って同じことをやるのではなく、参加するメンバーの属性や経歴などを調べ、毎回プログラムを調整しています。営業がお客様の課題に合わせて、アジェンダや期待値を調整して話をするのと同じですね。
多分、同じ内容をやったことはないんじゃないかな……ワークショップを取り入れたり、扱うプロダクトを変えたり、アイスブレイクのテーマを変えたり。どうやったら参加者が退屈しないかを考え、絶対に外しちゃいけないところ以外は、直前までプログラムを練っています。
——すごく大変な作業ですよね……
本当に、毎回研修の開始直前はお腹が痛くなります(笑)。それにオンボーディングや研修って、基本的にみんな1回しか受けないので、アップデートしたことに気づいてもらえないんです。
一方で、少人数だからこそ自分で働き方や時間をコントロールできるメリットもあると思っていて。私は地方在住で子育て中なので、オフラインコミュニケーションが物理的に難しい環境で仕事をしています。自分自身で正解を作っていかなければいけない難しさはありつつも、自分のペースで仕事ができるのでありがたいですね。
営業としての経験はある程度ありますし、これまでも在籍してきた会社で大なり小なり貢献してきた自負もあります。でも、今の私は地方在住で子育て中で制約だらけ。私より時間も自由に使えてフットワークの軽い人がたくさんいるなかで、入社オンボーディングの形でレバレッジを効かせられることが嬉しいんです。
あとは、会社のSlackの雑談チャンネルにすごく支えられています。実務では関わらないからこそ、仲良くできる関係ってあるじゃないですか。趣味で繋がっているから、純粋に笑い合えるし、くだらない話もできる。心理的安全性の高い雑談チャンネルのおかげで仕事が頑張れてる部分は大いにありますね。
「クイック・ギブ」し続けた先に活躍の範囲が広がっていく
——mayaさんが仕事をする上で大切にしていることは何ですか?
相手の想像よりも少しだけ早く、そして質の高い対応をすることです。例えば、質問が来たらすぐに返すだけでなく、その質問の背景を想像してプラスアルファの要素を付け加えて返信する。そういった積み重ねの先に、信頼が獲得できると考えています。
「ギブ・アンド・テイク」ではなく、ひたすら「クイック・ギブ」し続ける。それは目立つ行為ではないし、下手すると誰にも気づいてもらえないこともありますが、小さい信頼を積み重ねることで必ず活躍できる範囲が広がっていきます。
ビジネスの世界にはすごい人がいっぱいいて「何者か」になることは本当に難しいですよね。特に私は「絶対に一番にはなれない」と思っているので、その分「あの人がいるとなんか仕事が円滑に回るよね」と思われる、そんな存在になりたいと思いながら仕事に向き合っています。
——これからどういうことに取り組んでいきたいですか。
BizEnabling室も人数が増えきたので、この春から私自身新しいチャレンジをすることになりました。具体的には、セールス部内に新設される営業企画との兼務です。お客様により近い場所で顧客解像度をあげながら、組織全体の施策への接続を導く役割なので、すでにやりがいを感じています。
正直、私自身は上昇志向があまりないので、毎日健康に笑顔に生活が続けば幸せだと思っているんですが、唯一自分の子どもに「ママが何の仕事をしているのか分からないけど、働くって楽しそう」と思ってもらえるような背中を見せていきたいんです。
そのためには、「ちゃんと組織に貢献できている」という自己有用感を感じられることが大切だと思うので、BizEnablingと営業企画の仕事を通して自分自身も充実させていけると良いなと思っています。
メンバーひとりひとりに向き合ったEnablingに関心がある方、お話ししませんか?
テクノロジーの力だけでは解決できない「働きがい」や「自己有用感」を生み、メンバー全員が前向きに仕事に取り組める仕組みや環境を作るBizEnabling室。少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひカジュアル面談でお話ししましょう。