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ビジョンを誰よりも熱量高く伝え続ける。定量と定性の間で追い求めるもの (#事業開発の舞台裏)

あなたは「事業開発」と聞いてどんな仕事を思い浮かべますか?
スタートアップ、ベンチャー企業を中心に職種としては一定の認知をされていますが、実際どんな仕事をしているのかイメージが付きにくい役割のひとつが「事業開発」ではないでしょうか。

これから4回にわたって、LayerX社内でも謎が多い、バクラク事業開発メンバーの実態にせまるインタビュー企画「#事業開発の舞台裏」をお届けします!

第2回目は、若くして多くの修羅場を乗り越えてきた風格がある 稲田 宙人(いなだ ひろと)が登場。

「垂直・水平の両方向で事業を見ること」をキャリアの最初期を通して経験できたのはすごく良かった

——LayerXに入社する前のキャリアについて教えてください

マーケティング系のSaaSを提供するスタートアップ企業で5年弱働いていました。半年おきくらいに役割・やることが変わっていたのですが、大きく以下の3つの変遷を辿っています。

初期:お客様のマーケティング支援・運用代行
中期:経営戦略部で中長期の全社戦略策定・各部署の足元の課題特定と解決支援
後期:新規プロダクトの立ち上げ・事業開発・プロダクトマネージャー

——バクラク事業部での現在の役割について教えてください

現在は事業開発部に所属し、以下の2つの事業を伸ばす責任を担っています。

① インボイス制度対応を軸にしたバクラクの事業成長
② バクラク申請・経費精算の特定業界へのPMFによる事業成長

前者に関しては、2023年10月1日に開始した「インボイス制度」をテーマに、いかにバクラクの認知度を上げるか・製品とマーケティング/営業の競争力を上げるかの2つのイシューを持って事業推進にあたっています。

後者に関しては、主にバクラク申請・経費精算という2つのプロダクトについて次のPMFを達成するべく、対象業界のお客様の業務フロー・ペインの解像度上げから、各チームを巻き込んだ事業推進にあたっています。

事業開発としてはキャリアバックグラウンドもあり特にマーケ領域での取り組みに深く携わることが多いですが、PRからCS・パートナーまで事業全体の取り組みを各チームメンバーと密に連携をとって推進しています。

※事業開発としての責任範囲の全体観のイメージ

——LayerXより前のキャリア、経験で今の役割に役立っているものはありますか?

垂直・水平の両方向で事業を見ること」をキャリアの最初期を通して経験できたのはすごく良かったと思います。

垂直方向とは事業戦略の川上から施策実行の川下、水平方向とはファネル上部の認知・獲得から下部の定着・活用支援を指しており、キャリアの最初に両方向を幅広く経験できたのが今の自分に繋がっていると感じます。

事業開発においても、事業開発責任者としての視座を使うべき場面・施策実行者の立場で考えるべき場面は同時・または違うタイミングで発生するので、その際に視点・考え方を垂直・水平に動かせると局所最適にならない選択ができるのではと思います。

ある種非合理でも「直感的にいける・何かこの領域は匂うぞ」という自身の嗅覚を大事にする

——バクラク事業開発の羅針盤のなかで最も気に入っているものとその理由を教えてください

みんなで膝を突き合わせて決めた”事業開発 羅針盤”なのでどれも好きなのですが、あえて1つ選ぶとすると「定量と定性、合理と直感のバランスを追求する」ですかね。

LayerXの事業開発のミッションが「強固な事業ポートフォリオを創る」なのですが、最適な事業ポートフォリオの構築には短期的な視点だけでなく中長期の目線を織り交ぜるのが必須だと考えています。

個人的には、失敗に繋がる意思決定って、既に顕在化しているファクト偏重の短期的な視点に基づくものになってしまっているのが概して多いと思っていて。測定ができて分かりやすい定量的・合理的なファクトのみを正義と考えてしまうのが多いんじゃないかなと思うんですね。

定量根拠が重要なのは間違いないのですが、意思決定の軸をそこに偏重してしまうのは危ういんじゃないかと。

事業開発としては、当然既に顕在化している課題や定量的根拠を元にその事業推進をするべきかは合理的に考えつつ、ある種非合理でも「直感的にいける・何かこの領域は匂うぞ」という自身の嗅覚を大事にするのがいいと思っています。

「まだ定量的に測れていないだけで潜在的な課題は大きい・これは解決しなければいけない」という定性・直感の判断軸をうまくバランス良く取り入れることで、中長期の目線に立った意思決定ができるようになり、それが「強固な事業ポートフォリオを創る」ことに繋がると考えています。

とはいえ、事業開発担当自身の嗅覚・直感をそっくりそのままメンバーと共有するのは不可能です。共通認識を持つ上では目に見えるファクトが最強なのは間違いありません。

だからこそ、メンバーがその事業が伸びることを心から信じられるようにするために、事業開発担当は「なぜその領域で事業を推進するべきなのか」「どのような勝ち筋・シナリオで事業を展開するのか」のビジョンを誰よりも熱量高く伝え続ける必要があると思います。

ミッション副文にある「ビジョンとファクトを組み合わせて新たな市場を創造すべく、将来の探索にbetします」を自分は上記のように捉えています。

——今後のキャリアで達成したいことは何ですか?
自分は「将来こうなりたい」という目標に対して頑張っているというよりは、「自分が経験したことがないことができて知的好奇心が満たされるか」を追い求めています。

ただ、仕事をする上で大事にしていて揺るがないこととしては、相対しているお客様とその先にいる方ひいては社会の役に立つことをするのが目的であって、自身の知的好奇心を満たすのはその過程でいつの間にか達成されるべきということです。

自分が理想とする状態を追い求めて行動していく上で、それはお客様・社会のためになることなのか、”徳”の観点でその行動が最善なのかは、一挙手一投足において考え抜いていきたいです。

LayerX 羅針盤より

ブレない強固な組織力があるか、その地盤となる組織のOSとして文化が機能しているかが大事

——LayerX・事業開発で働くことの魅力は何だと思いますか?

事業開発で働くこと・LayerXで働くことのそれぞれの魅力をお伝えできればと思います。

まず、前者に関しては、「事業を自分自身で作り上げることができるチャンスがごろごろ転がっている」という点が一番の魅力だと思います。
LayerXは既に250名以上の組織になっているのもあり、「外から見ると組織も成熟してきて後はレールに沿って進むだけ、今更入っても遅いのでは」と思われることが多いです。

しかし、実際は半年に1つのペースで新しいプロダクトがリリースされており、1つ1つのプロダクトごとで見ると担当するメンバーの数は全然足りていない状況です。また、既存のプロダクトに関しても当然”なり”で伸ばせばいいはずがなく、PMFを繰り返していく必要があります。

そんな状況だと、どうしても各チームは目の前の目標を達成することに専念せざるを得ないです(これは目の前の高い目標達成のためにしょうがないことだしあるべきではあります)。

だからこそ、事業開発という中長期の視点で事業を伸ばす役割が重要になってくるのかなと思います。特にLayerXだと、1つ1つのプロダクトが相対する業務領域の課題が多く深いのが特徴です。単体でもとても大きくなり得る事業の種を自分で見つけ水をやりチーム皆で育てていく過程を経験できる稀有な機会がLayerXにはあります。

次に、「LayerXで働くこと」に関してはたくさんありますが、「行動指針・文化が”組織のOS”として浸透・機能している」点です。

「文化が大事」とはどの組織でも言っていると思いますが、LayerXでは文化・行動指針が”組織のOS”として定義されており、意識をすることなく息を吸うかのように日々の一挙手一投足に文化・行動指針が反映されているのがすごいなと入社後に思いました。

個人的には、相対している事業ドメインの成長余地がどれくらいあるかや、どんなすごい人が会社にいるか、どんな革新的なビジネスモデルかよりも、ブレない強固な組織力があるか・その地盤となる組織のOSとして文化が機能しているかが大事であると感じます。
より深いLayerXの魅力に関しては以下のNoteでご紹介しているので、よければご覧ください。

——バクラクの事業開発に、今後どんな人に参画してほしいですか?

一言で表すなら「愛がある泥臭い人」です。
バクラクの事業開発は、ある種非合理でも「直感的にいける・何かこの領域は匂うぞ」という自分自身の嗅覚が大事という話をしましたが、この嗅覚を上げるにはファクトを取りにいくしかないんですよね。

経理担当者・バックオフィス担当者ではない我々としては自分でその課題を経験するのがなかなか難しいので、お客さまに直接聞いたり・業務を見させてもらうしかないんです。答えはお客様の現場にしかないというか。

その観点で、自ら頭も口も手も動かしてBe Animalにファクトを取りに行ける「泥臭い人」がバクラクの事業開発には向いていると思います。

また、「愛がある」という部分に関しては、まずはお客様や社会の疑問や課題の解決をすることに徹底的に寄り添うことが大事であるという意味です。
数字が伸びるからといって無理やりに事業開拓をするのではなく、その事業を推進することはお客様や社会のためになるのか、徳の観点でやっていいことなのかを考え抜く。課題解決に寄り添う過程で手段としてバクラクを選んでもらえるようにするのが、バクラクの事業開発の難しさであり面白い点なのかなと。

「愛がある泥臭さ」に共感してくれる人、お話しましょう!

そんなLayerX・バクラクの事業開発の面白さをもっと知りたい・興味が湧いたという方はぜひカジュアルにお話ししましょう!

X(Twitter)での交流も大歓迎です!

最後に

LayerXの事業開発部主催で「BtoB事業開発 Advent Calendar 2023」やります!ご参加・シェア大歓迎なので一緒に盛り上げていければ嬉しいです!

1つ目:https://adventar.org/calendars/8896
2つ目:https://adventar.org/calendars/9170

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