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スタートアップ取締役からLayerXへ。 想定外の「ギャップ」とは(#事業開発の舞台裏)

あなたは「事業開発」と聞いてどんな仕事を思い浮かべますか?
スタートアップ、ベンチャー企業を中心に職種としては一定の認知をされていますが、実際どんな仕事をしているのかイメージが付きにくい役割が「事業開発」です。

LayerX社内でも謎が多い、バクラク事業開発メンバーの実態にせまるインタビュー企画「#事業開発の舞台裏」が、待望のスタートです!(全4回)

4回目は、日本酒を飲みすぎると猫に戻ってしまうので禁酒を続けること3年という、後川 優(うしろかわ ゆう)が登場。

——インタビューの前に、発信したいことがあるそうですね。

はい!「BtoB事業開発 Advent Calendar 2023」なる企画がスタートしています!スタートアップ界隈で事業開発に関わる人が集まっており、全50記事が公開される予定です。

事業開発に関わる方・興味がある方はぜひ #BtoB事業開発アドカレ を覗いてみてください!

HR系SaaSスタートアップの役員を経験し、LayerXにジョイン

——アドカレ応援しています。それでは、LayerXに入社する前のキャリアについて教えてください。

HR Tech系のSaaSスタートアップの取締役として事業立ち上げ、マーケ・CS・BizDev責任者をしていました。9年在籍し、4年目に創業事業の売却と社名変更をしてHR事業に振り切るというタイミングで役員になりました。

2023年9月30日に退任し、10月1日よりLayerX バクラク事業部の事業開発としてjoinしています。前職では、様々な企業で働く人々の性格特性データを分析し、

・この規模の会社では◯◯という特性を持つ人が△△職で活躍しやすい
・■■という特性の上司 × ▲▲という特性の部下は、認識の齟齬が起きやすいので1on1では◎◎に気をつけるべき

といったレコメンドで採用・組織運営のミスマッチを防ぐSaaSプロダクトをつくっていました。

個人の性格特性、職種・役割とその変遷、活躍度 などのデータを大量に蓄積していて、これらを分析して企業規模・フェーズ・領域における組織構成の最適解を出す取り組みをしていました。

ひとことで言うと、性格特性データでマネーボールができるサービスです。
その他、プロダクトを使った採用責任者代行事業も立ち上げ、実務を担当していました。シード〜シリーズAくらいのスタートアップのお客様に対し、採用戦略策定からスカウト送付、面接などをやっていました。お金をいただきながらお客様の業務にディープダイブし、自社プロダクトの活用・改善ができたので非常によい経験でした。

——前職より前のキャリアはどんなものだったのですか?

光回線の個人宅訪問営業から始まり、その後はO2O、アドテク、Webメディア、転職エージェント、転職媒体などの立ち上げを経験しました。20代前半は、スタートアップとは呼び難く、ちょっと胡散臭い人たちが日々あやしい儲け話を持ち込んでくるような野良ベンチャーで育ちました(笑)

プロダクトが解決しようとしているユーザーペインが明確で、さらに背後にある潜在ニーズも深く巨大で面白そうだった

——LayerXへの入社を決めた理由は何ですか?

転職サイトに登録して一番最初にスカウトが来たのがLayerXだったからです!会社のことは認知していましたが、それまでは自分が関わるとは微塵も想像していませんでした。

事業開発ポジションで2社選考を受けて、1社は「事業開発」の捉え方に自分と乖離があるなと感じました(別ポジションならマッチしたのかも?)。
LayerXは最初のカジュアル面談から最終面接まで、5回の面接全てで楽しくお話でき、意外にもカルチャーマッチを感じていました。「事業開発」についての認識も一致していました。

参考までに、決め手となったポイントを4つに絞りました。

  • 最初にスカウトが来た会社
    →スカウトがなければ、自分から応募することはまずなかったはずです

  • 採用人事がしっかりしていた
    →採用責任者代行をしていた手前、採用人事の方とやり取りすることが多かったのですが、人事メンバーにしっかりした方がいる企業は全職種で強い人材が揃っていることが多いと思っています

  • BSM(法人支出管理)という超巨大市場で勝負できる

  • プロダクトが解決しようとしているユーザーペインが明確で、さらに背後にある潜在ニーズも深く巨大で面白そうだった

——前職では取締役という役割でしたが、転職することについてはいかがでしたか?

こだわりはなかったです。資金調達関連を除くと、小規模スタートアップの役員は「一番コミットする人」「合法的にどれだけ働いてもいい人」くらいの役目だと思ってます。

何もないところから事業をつくってグロースしたり、物事に責任を持ち推進していくことはできますが、「経営者」としての僕のスキル経験に特筆すべきものはないです。まずは、担当事業を爆伸びさせて成果を出すことに集中していきます。

「スタートアップの2番手」的な事業家人材のキャリア選択肢として、今のLayerXは最適解の一つだと思うので、似たような立場の方はぜひお話しましょう。

野良キャリアで、やばいところに紛れ込んでしまった

——入社してちょうど2か月が経ちますが、入社後のギャップなどはありますか?

たくさんあります!いくつか挙げると、こんな感じです。

  • 想像の3倍はスタートアップ感が強い

  • 超優秀な人は、1周回ってやさしい

  • 福利厚生(的なもの)が超手厚い

——ギャップが非常に大きかったのですね。

そうですね。例えば、入社前に「250人以上の組織」と聞いていたので相応の動きづらさは覚悟していました。キャリアのほとんどで10人以下の組織にいた僕からすると「大企業に迷い込んでしまった」という不安がありました。

しかし、いざ入社してみると、10名規模のスタートアップと変わらないかそれ以上の機動力で動いていました。プロジェクトが進むスピードもえげつない……

LayerXはコンパウンドスタートアップという戦略で、半年ごとに新プロダクトをリリースしています。組織も各プロダクトやテーマ毎にチームが組成されているので、社内に小さなスタートアップが複数あり切磋琢磨しているような感覚です。これは記事などでは目にしていたものの、体感すると想像以上のスピード感でした。

バックオフィスやHR、オペレーション系組織もどんどん強くなっているので、小規模スタートアップ以上のスピード感を持ちつつ、盤石のサポートを受けられるという至れり尽くせりの状態です(成果を出さざるを得ない)。

——超優秀な人は、やさしいのですか?

外から見たLayerXって、「いけ好かない超エリートがFinTechという小難しい領域で数値をこねくり回している」というイメージだと思うんですよね。僕だけですかね??僕はそう思っていました。

採用選考の途中でそのイメージはすっかり覆されていたのですが、いざ入社してみると「石を投げれば東大卒に当たる」ような状況で驚愕しました(正確な内訳は知りませんが)。さらに学歴以外にも、前職で有名スタートアップでIPOを経験!などといった経歴の人が溢れていて震えました。

野良キャリアでやばいところに紛れ込んでしまって困惑の図(本人提供)

しかし、実際にコミュニケーションを取ったり、社内の雰囲気を見ていると、学歴や過去の実績を鼻にかけるような人は皆無でした。優秀な人たちが「人を責めず、仕組みを疑う」「隣のKPIは、私のKPI」といった動きを本気で実践しているので、サポートが非常に手厚いですし、人間関係に変なしがらみもなく、物事があるべき方向にものすごいスピードで進んでいきます。ハイスペックな人たちが高出力で泥臭いことをやり切ってくるのでおそろしい環境です。

——なるほど。石は投げないでくださいね。

そもそも、超優秀な人を大量に採用し続け・真っ直ぐコトに向かえる状態にするって、ものすごく難易度が高いことです。それができる会社をつくった経営陣はエグいな……と本当に思います。自分はスタートアップ経営者としてはそこに届かなかった人間なので、ぐぬぬっといった感じです。

あんまり所属企業を持ち上げすぎるのは良くないかなと思いつつも、入社2か月なのでまだ「手前味噌」にならない、フラットな視点での感想ということでお許しください。

以前の僕のように、LayerXに対して「なんかいけ好かなそう」といったイメージをお持ちの方がいたら、人生の1/3くらいは損しているかもしれません。興味が深まった方は、ぜひカジュアル面談をどうぞ。

——福利厚生(的なもの)とはどんなことでしょうか?

LayerXは約102億円の資金調達をしているので、もしかしたら「リッチな福利厚生がありそう」と思っている方もいるのではないかなと思います。オフィスにトレーナーつきのスポーツジムがあったり、バリスタやシェフが常駐していたり。

実際、そういうのはないです。しばらくはそこにお金をかける方針ではなさそうです(そういうところ好き)。
では、的なものが何を指すかですが、それは知識・情報です。LayerX社内では有志による勉強会が積極的に実施されています。

  • 海外の急成長SaaS勉強会(対象企業CEOから聞いた生の情報つき)

  • 約102億円 資金調達の裏側

  • 有名スタートアップやVCによる勉強会

  • 採用勉強会(リファラルの声のかけ方、SNS運用など実践的なもの)など

何かしらの会が週1回以上は開催されていますし、経営陣のMTG議事録も結構踏み込んだ内容まで社内公開されています。通常はお金を出しても得られない知識・情報が、給与をもらいながら手に入ってしまう。これは福利厚生と呼んでもよいのではと思います。

最高だなー!と思いつつ、1/3くらいは悔しい(本人談)

中長期にフォーカスし、飛躍的に事業やプロダクトを伸ばす。バクラク事業にも、僕個人としても達成が必須

——バクラク事業開発の【事業開発 羅針盤】のなかで最も気に入っているものとその理由を教えてください。

全部好きですが、敢えて他のメンバーが挙げなそうなところを。「短期利益を追求せず、中長期にフォーカスする」です。

これは、バクラクの事業開発らしさが濃く出ているかなと思っています。もちろん短期目標の達成も必須なのでそれは前提としつつ、「数年単位での飛躍的成長」をつくりにいく。事業開発として当たり前のことなのですが、実際にそこにフォーカスできる環境は滅多にないはずです。世の中のほとんどの事業は明日生きていくことに精一杯なので。これを掲げ、真っ直ぐ目指せるのは素敵なことです。

中長期にフォーカスし、飛躍的に事業やプロダクトを伸ばす。バクラク事業にも、僕個人としても達成が必須なので何としてもやっていきます。

——今後のキャリアで達成したいことは何ですか?

入社2か月経ちましたが、まだ特に何も成し遂げていないのでまずはわかりやすい成果を出したいですね。僕は適応力が低めなスロースターターなので、功を焦っていくぐらいがちょうどいいと思っています。

強い経営陣・超優秀なメンバー・豊富な資金が揃った環境なので、一発大きいのを狙っていきたいですね。後のことは、一塁を回ったあたりで考えればいいかなと。
前職で取締役という役割を放り出し、ほとんどの仕事を代表に押し付けて来てしまいました。ですので、「中田翔選手ばりのオプトアウトを認め、送り出してよかったな」と思ってもらえるような成果を早めに出したいですね。

——野球の例えが多めですね。

はい。ずっと卓球部でした。

——LayerXで働くことの魅力は何だと思いますか?

「言い訳ができない環境」ですね。いわゆるヒト・モノ・カネが揃っていて、目の前に巨大な市場もあります。あとはやるだけです。

事業開発の観点としては、転がっているチャンスが多すぎる状態です。モノにすればきっと世の中に価値あるインパクトを残せるので、LayerX バクラクの事業開発が気になった方は早く拾いに来てください!

分不相応に見えるような飛躍的成長を一緒に目指してくれる人と働きたい

——バクラクの事業開発に、今後どんな人に参画してほしいですか?

「徳のある野心家」です。

AIが描く「徳のある野心家」とのこと(本人提供)

LayerXの行動指針に「徳」というものがあり、メンバーの共通言語となっています。

事業開発部で独自に定めた「羅針盤」でも、「徳が低いことはしない」と明言しています。

「徳が低い状態」の例:
・社会や顧客の長期発展よりも、売上が大事
・危機感を煽るようなコミュニケーション

「野心」は、分を越える(ように見える)大きな望み・たくらみ を指します。本気で大きな望みを実現させるならば、短期的だったり、お客様のためにならない利益を取りに行くのは合理的ではありません。

個人としては分不相応に見えるような飛躍的成長も、バクラクの事業開発でならできると思っています。一緒に目指してくれる人と働きたいです。

LayerX・バクラクの事業開発の面白さをもっと知りたい・興味が湧いたという方はぜひカジュアルにお話しましょう!XのDMやPittaでもお気軽にどうぞ。


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